2011年07月31日

お茶会


以前打ち合わせのときにチラリと紹介した、お茶会が本日、舘山寺のホテル九重にて開催されました。

会場はとても忙しそうだったので、残念ながら、器に納まったお菓子の写真が撮れませんでした。

というわけで、バラバラになってしまいますが、下の写真が、打ち合わせのときに見せていただいた器です。これに合うようにいくつか見本を持っていって、採用されたのが上の写真のお菓子です。(若干先生の要望で変更しましたが)

銘は先生の方で考えてもらうことになってたんですが、現場で会うことができず聞きそびれてしまいました。以前の話では、舘山寺で開かれるということで、「浜名湖をイメージしたものにしたい」と言っていたので、きっとそれにちなんだものになったはずです。後日、教えてもらうことにします。

葛製で、中のあんこは小豆のこしあんです。葛は加熱して熱い状態じゃないと、形を加工できないので、大変手間がかかります。今回のように薄くして、中のあんこを透かせる手法は、葛を使ってやるのは初めてです。(猛烈に時間がかかってしまって、ちょっと後悔しました)いろんな意味でいい勉強になりました。

終了後、お菓子は好評だったとのことで、嬉しい感想を聞かせていただきました。苦労した甲斐がありました。そして、また銘を聞くのを忘れてしまいました。


  

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2011年07月28日

暑い日には…


最近あまり見かけなくなった、法事などでよく登場していた正式名称(かな?)「お平ぱん」、通称「かたぱん」です。

明日から週末にかけてまとまった注文が入ってきたので、朝の仕込みから長い時間をかけて焼いております。業務用のオーブンをフル稼働して焼くので、仕事場の中の気温が一気に上昇し、同じ仕事量でも二割増くらいの達成感を感じます。

でも個人的には、延ばして型抜きして焼くという一連の単純な動作は何にも考えなくてもいいので、結構好きです。(毎日だと飽きると思いますが)

そんな「かたぱん」なんですが、食べるのも暑い日は向いてないんじゃないかと思います。パンと呼ばれてはいるものの、かなりクッキー寄りのパンであり、油断できないデカさなので猛烈に口の中がパサつきます。飲み物なしで食べようとするのは危険ですので、必ず飲み物を用意してからほおばってください。(個人的には牛乳がおすすめ!)

週末はおそらく余分がある(ほぼ受注生産なので)と思うので、食べたことない方は是非お試し下さい。

21組で270円です。


  

2011年07月24日

赤飯

最近は少し涼しくて過ごしやすいですね。

さて、今日はお日柄も良かった(大安でした)ためか、お赤飯の注文をいただきました。当店では、注文でのみお赤飯を作っております。でも、少し多めに作るので、余った分はお店に並べます。発見したら、ぜひ食べてみてください。

お赤飯の色は、使用している小豆の煮汁にもち米を漬けて染めています。ですから、小豆の機嫌次第で、色が(少しだけ)変わってきます。というのは(半分だけ)冗談で、季節によって小豆のゆで加減が変わってくるので、そのためです。(私のウデも若干関係しておりますが)厳密に言えば、毎回違います。

ちょっと薄めであんまり鮮やかではない(当店の)お赤飯の色は、自然な感じがして(私は)おいしそうに見えて好きです。

おそらく、お客様が食べる頃には冷めていると思いますが、蒸したてのアツアツのお赤飯はまた格別です。たまには、温めなおして召し上がってみてはいかがでしょう?


  

2011年07月20日

つくね芋

薯蕷饅頭の下準備です。

つくね芋の皮をきれいに剥いた後、根っこをほじくってからおろし金でおろしていきます。おろし金は銅製のものが一番です。銅のおろし金は刃が鋭いため、素材の繊維をつぶさず、余計な水分がでないので素材の良さを損ないにくいのです。(大根おろしなどにもおすすめです)

ちなみに私が使っているのは、京都の名店「有次」製のものです。通常、表と裏で刃の大きさが異なる(2WAY)のですが、つくね芋専用のため両面とも細かい刃の仕様にしてもらいました。

また、よく見ると刃の並びが一直線じゃなくて曲がっています。これは、手作業だからなせる業でであって、同じ場所に刃が当たらないようになっているのです。

量販品をお使いの方も、円を描くようにおろすと同じ刃に当たらないのでおすすめです、ぜひやってみてください。(ちょっと幅広のじゃないと難しいかな?)

総合的に見て、私には少々もったいない代物ですね。まあ、長く使えるものなので大事に使っていきます。

おろし金自慢になってしまいましたが、手間をかけている感のほうを自慢したかったんです。だいたい(芋1個で)皮むき、根っこ取りに1520分くらい、おろすのに2025分くらいで計40分近くかかる、地味にしんどい作業なんです。ちょっとかけすぎですね。(私が遅すぎるのか?)


  

2011年07月16日

お稽古のお菓子

お茶の先生からの注文で、お稽古のお菓子をおまかせで作らせていただきました。

ういろう製で、中のあんこは白あんです。銘は「苔清水」とさせてもらいました。

ういろう独特のぼんやりとした色合いが、今回のこだわりポイントです。

模様をつけない無地のういろうを使って、中のあんこに模様やぼかしをつけ、透かして見せる技法は(個人的に好きで)よく使うのですが、ういろう自体にぼかしをつけることがあまりないので、思いのほかきれいにできてご満悦です。中のあんこもそれを引き立てるため、あえて白あんを使ってみました。

 苔の間を流れる清水が、ものの見事にイメージできますね。私だけかな?

暑い日が続きます。こういった、お菓子とお茶で涼を楽しむのも、たまにはいいですよ。


  

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2011年07月09日

蓬莱山


当店のホームページで蓬莱山を発見し、還暦のお祝いに注文していただきました。(うれしい!)

サイズ比較のため、みかん饅頭にも出演しておらいました。

てっぺんに「祝」の焼印を、という要望をいただいたので、「初生衣」の皮を小さく焼いてまんじゅうの頭に埋め込んでみました。薯蕷まんじゅうと同じ白い生地を使おうか迷いましたが、素材が違うほうがおもしろいかな?と思って初生衣にしました。

思いのほか、カラーリングもマッチしていて、いい塩梅に仕上がったんじゃないでしょうか?自分では気に入っております。

いつも思うのですが、お客様が包丁を入れたときに、断面がきれいに出たのかすごく気になります。切って確かめるわけにはいかないので。(下の写真は以前のものです。)

ですから、手元を離れてからは、いつも心の中で祈っています。「満足していただけますように」と。


  

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2011年07月05日

かのこ豆



 小豆の蜜漬けです。今当店では大粒(たいりゅう)小豆と呼ばれる豆を使っています。(北海道産です)いいツヤがでております。



この時期は、涼菓の「栗かのこ」に大部分を使用しております。



かのこ豆を作るときは、あんこを炊くときと違って、小豆を専用のカゴに入れて炊きます。煮崩れるのを防ぐためです。カゴに閉じ込めることにより、煮ているとき沸騰しても豆が踊らず(動かず)割れにくいというスンポーです。



ただ、カゴを使うとナベとカゴの間に隙間が生じ、煮汁がたくさん必要になってしまいます。



通常、煮汁は捨ててしまうのですが、当店では、この煮汁を利用して蜜を作り、豆を漬け込んでおります。煮汁に溶け込んだ旨みを逃がしたくないからです。(私の個人的な考えです)



全行程を終えるのに23日を経て、アイツらは一人前になっていくのです。



そんな手間と愛情があの一粒には込められているんですよ。





  

2011年07月01日

茶席のお菓子

 7月31日に、舘山寺のホテル九重で行われるお茶会の注文をいただき、先日先生と一回目の打ち合わせをしてきました。

それぞれのお茶会、先生の趣向、季節、行事などによってどんなお菓子を用意するのかが違ってきます。今回のお茶会では、まず菓子器を見せてもらい、それに合ったお菓子を用意することになりました。

実際に使われる器を紹介したいところなんですが、お茶会ではどんな器が使われるのか?

というのも一つの楽しみでもあるので、当日までの秘密にしておきます。

そこで代わりに掲載した写真は、我が家で食事に使っている皿です。(全く高価なものではありません、残念ながら)

今日は、これに合いそうな饅頭をのせて撮ってみました。黒がベースのお皿の薄い黄色っぽい模様と、みかん饅頭がマッチするんじゃないかと思いチョイスしました。

饅頭の高級感が二割増しくらいになった気がしませんか?(私だけ?)

料理にも同じ楽しみ方ができるかと思います。たまには、献立を器から決めてみてはいかがでしょう?なかなか楽しいと思います。(自分の意図が相手に伝わるとすごくうれしいですよ。)